基礎知識

競馬における斤量の影響とは?決め方と2023年に変更になった点について解説!

この記事でわかること
  • 斤量とは
  • 斤量の決め方
  • 斤量を考慮した予想の注意点
  • 2023年に改定された内容

競馬の出走表を見ていると「斤量」という項目がありますが、斤量の決まり方や斤量がレースに与える影響を知らないという方は多いのではないでしょうか?

そこで、今回は競馬における斤量について解説します。

この記事を読めば、斤量の決まり方やレースに影響を与える影響を考慮して、競馬の予想ができるようになります。

ぜひ最後まで読んで、競馬斤量についての理解を深めてください。

 

競馬のにおける斤量とは

競馬における「斤量」とは、競走馬が背負う重さを指す言葉です。

競馬では、競走馬の能力には個体差があり、非常に強力な馬とそうでない馬の差が存在します。

競馬レースのグレードや条件設定によって、競走馬をグループ分けすることはできますが、それでもなお、個々の競走馬の実力差を考慮する必要があります。

そのために用いられるのが「斤量」です。

斤量は、競馬のレースごとに決まる競走馬が背負う重さを調整する仕組みで、競走の公正性を保つために非常に重要な要素です。

この重さは騎手が騎乗することで決まり、騎手は自身の体重を管理し、設定された斤量に合わせる必要があります。

しかし、騎手の体重や身長によっては、設定された斤量に到達するのが難しい場合もあります。

そのような場合、騎手は体重を調整し、斤量に合わせるために重りを使用することがあります。

ただし、余計な重りを付けることは、競走に影響を及ぼす可能性があるため、最善の方法は騎手自身が体重管理を行い、斤量を満たすことです。

なお、設定された斤量から2キログラム以上超過してしまうと、その騎手は競走に出走できず、他の騎手に交代させられます。

このため、騎手にとって斤量の管理は非常に重要であり、収入を得るための重要な仕事の一つと言えます。

競馬ファンや予想者にとっても、出走表を確認する際には必ず斤量をチェックすることが重要です。

斤量は各競走ごとに異なり、競走馬の能力や体調に合わせて設定されるため、競馬予想において欠かせない情報となります。

 

斤量(負担重量)の決め方

競馬の斤量(負担重量)は出走するレースの種類によって決まります。

競馬のレースにはさまざまな種類がありますが、斤量の決め方で分けると以下の4つに分けられています。

斤量の決め方
  • 馬齢戦
  • 定量戦
  • 別定戦
  • ハンデ戦

それぞれの決め方について解説します。

馬齢戦

馬齢戦は、競走馬の年齢に基づいて制定される競走カテゴリーです。

この種のレースは、競走馬の出走条件を年齢で厳密に制限しており、例えば「2歳牝馬のみ出走可」といったように、特定の年齢層や性別の競走馬に限定されることがあります。

2歳9月までは、牝馬と牡馬ともに斤量が54キログラムとなります。

しかし、10月になると牡馬の斤量が1キログラム増え、3歳になるとさらに1キログラム増加して、3歳の10月以降になると牡馬の斤量は57キログラムに設定されます。

牝馬の場合、3歳10月以降に1キログラム増加し、それ以外の時期は54キログラムの斤量が適用されます。

このように馬齢戦では、年齢や性別に応じて競走馬の出走条件や斤量が変動し、競走の公正性を保つために使われます。

定量戦

定量戦は、その名の通り最初から斤量が決まっている競走です。

競走馬の実力に関係なく、元々は「5歳以上の馬の斤量を57キログラムが基準」として設定されており、各競走馬の状態に応じて斤量が変動する競走カテゴリーです。

有名なレースでは、「日本ダービー」や「有馬記念」などがこの定量戦に該当します。

牝馬は牡馬よりも2キログラム軽減され、その他の条件によって馬齢に基づいて斤量が調整され、最終的な斤量が設定されます。

定量戦は一般的には重賞やオープン戦など、競走馬の実力に関係なく公平な条件で競走を行うレースとして採用されることが多いです。

別定戦

別定戦とは、斤量が定量戦のように元々設定されている基準に基づくのではなく、各レースごとに斤量が決められる競走を指します。

通常の定量戦では斤量の基準は性別と馬齢だけですが、別定戦の場合はこれに加えて獲得賞金や勝利数などが斤量を決める基準となります。

したがって、別定戦では獲得賞金が多く、勝利数が多い競走馬ほど、より重い斤量でレースに出走しなければなりません。

最も斤量が重い競走馬は一般的に「トップハンデ」と呼ばれますが、トップハンデの競走馬であっても、G1レースなどで上位に食い込む実力がある馬は、最も重い斤量であっても容易に勝利することがあります。

ハンデ戦

ハンデ戦の斤量の決定方法は別定戦と同じですが、ハンデ戦では斤量を決める専門の「ハンデキャップ委員」と呼ばれる人が介入し、人間が最終的な斤量を決定しています。

ハンデキャップ委員は、全馬が競走中にゴール前で横一線になることを最優先に考えて斤量を調整します。

そのため、強い競走馬には別定戦以上に厳しい斤量を課すことがあります。

このため、ハンデ戦は競馬の中で最も予測が難しく、荒れやすいレースとされています。

競馬ファンの中には、穴馬を見つけて大きな配当を狙うために、ハンデ戦に注目する人も多いです。

特に、牝馬のG3ハンデ戦は荒れることが多く、3連単で百万円クラスの高額配当が出ることも珍しくありません。

そのため、予想が難解であり、競馬ファンにとっては魅力的なレースと言えるでしょう。

特殊な斤量の決め方

厳密に言うと、先述した斤量の決め方以外にも下記の斤量の決め方があります。

  • 南半球産馬
  • 見習い騎手

それぞれの決め方について解説します。

南半球産馬

南半球馬とは、オーストラリアやニュージーランドなどの南半球で生まれた競走馬を指します。

南半球の特徴は、季節が北半球と真逆であるため、馬の誕生時期が北半球と比べて約半年ズレています。

これが競馬において重要な影響を及ぼします。

特に2歳戦や3歳戦など若駒がデビューする際に、南半球生まれの馬は成長が遅れ、不利な状況に直面することがあります。

そのため、南半球で生まれた馬のうち、7月1日から12月31日までの間に誕生した馬が、ハンデ戦を除く平地競走に出走した場合、4歳の8月まで斤量が減量される制度があります。

この減量の具体的なルールは馬齢と競走距離に依存します。

たとえば、2歳馬が2200メートル以上のレースに出走する場合、通常の斤量から4キログラム軽い斤量で出走することが許されます。

実際の競走例として、南半球で生まれた馬であるキンシャサノキセキは、NHKマイルカップにおいて、他の競走馬よりも2キログラム軽い55キログラムの斤量で出走したことがあります。

これは南半球生まれの馬が受ける減量措置の一例です。

見習い騎手

騎手において、免許の通算取得年数が5年未満でかつ勝利度数が100回以下の場合、減量措置が適用されます。

この措置は、見習い騎手が騎乗機会を増やすためのものであり、特別戦やハンデキャップ戦以外の競走において、最大で4キログラムの斤量減が許可されます。

最近では、女性騎手に対する特別な制度も導入されており、女性騎手の場合、見習い騎手である必要はなくても、通常より2キログラム軽い斤量で騎乗が許されます。

これは、女性騎手に平等な機会を提供し、彼女たちが競馬界で成功する道を広げるための取り組みの一環です。

 

斤量を考慮した予想の注意点

斤量を考慮して競馬予想を行う際、競走馬の元々の馬体重を忘れてはいけません。

これは、子供が2キログラムの荷物を持つのと、大人が同じ2キログラムの荷物を持つのとでは、負担が全く異なるように、同じ斤量であっても馬体重が軽ければその負担は大きくなります。

特に馬体重が軽い競走馬がトップハンデとして出走している場合、注意が必要です。

競馬予想において、斤量だけでなく馬体重も考慮することは、競走馬のパフォーマンスを正確に評価する上で重要な要素です。

 

2023年から斤量制度は改定されている

斤量制度は2023年度に改定されました。

この改定により、最低体重と最高体重がそれぞれ1キログラムずつ増加しました。日本中央競馬会(JRA)は、この変更が「騎手の健康と福祉、そして将来の優秀な騎手の確保に向けた措置」であると発表しています。

つまり、騎手たちが減量に苦しむことなく、より健康的な状態でレースに臨むことをサポートするための変更です。

常に厳しい体重制限が課せられている騎手にとって、1キログラムの変更でも大きな意味を持ちます。

斤量が増えることによる懸念事項としては、レース中の事故が挙げられますが、この程度の変更では競走馬にとって大きな負担にはならないでしょう。

 

まとめ

今回の記事では、競馬の斤量について解説しました。

競走馬にはそれぞれレースごとに定められた斤量が設定されています。

斤量が増えると馬の負担が増えてしまい、パフォーマンスにも影響を及ぼすので、予想の際は斤量を考慮する必要があります。

特にハンデ戦は大穴が入り大きく荒れることがあるので、馬券的な妙味があるのも斤量による効果と言えます。

斤量のことを知ると競馬がさらに面白くなると思うので、本記事の内容を参考に競馬の予想をしていきましょう。

私は他にも競馬に関する有益な情報をメールマガジンで配信しています。

今なら無料で参加できますので、興味がある方はぜひご参加ください。