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競走馬の蹄(爪)とは?競馬に欠かせない蹄鉄の構造や役割も解説!

競走馬の蹄(爪)とは?競馬に欠かせない蹄鉄の構造や役割も解説!
この記事でわかること
  • 競走馬の蹄(ひづめ)とは
  • 蹄の構造
  • 蹄鉄とは
  • 蹄鉄の役割と必要性

「競馬において馬の爪がどう関係してくるのかわからない」「蹄鉄って何?」と疑問に思うことはありませんか?

競走馬の蹄(ひづめ)の状態やケアは競走馬の健康やパフォーマンスに直結する重要な要素です。

そこで、今回は競馬と蹄の関係と蹄鉄について解説します。

この記事を読めば、競馬における蹄のケアの重要性や蹄鉄の役割がわかるので、ぜひ最後まで読んで学んでください。

 

【競馬基礎】競走馬の蹄(ひづめ)とは

人間で言うと中指の爪が蹄に当たります。

馬の蹄は速く走るために今の形に進化しました。

例えば短距離走や体操の選手の走る姿を想像すると分かると思いますが、踵を地面につけずに、足の先端だけを使って走っていますね。

つまり速く走るためには出来るだけ

先端だけを使うのが理にかなっていることになります。

足を出来るだけ長く伸ばし、力強く大地を蹴って前に進む。それを究極まで高めた結果、蹄が発達したのです。

蹄の構造

馬の蹄の表面は蹄壁(ていへき)・つま先の蹄尖(ていせん)・かかとの役割の蹄踵(ていしょう)・蹄尖と蹄踵の間にある蹄側(ていそく)の4つに分けられます。

特に蹄尖と蹄側は厚みがあり、硬い構造になっています。

内側の構造は複雑で、蹄冠の後ろにある左右二個の球状の隆起を蹄球(ていきゅう)といいます。

楔形の角質部分を蹄叉(ていさ)、蹄叉の中央の溝を蹄叉中溝(ていさちゅうこう)、蹄叉と蹄支との間の深い溝を蹄叉側溝(ていさそっこう)といいます。

そして蹄の下面で、蹄叉の両面を占めるややへこんだところが蹄底(ていてい)です。

蹄底はお椀をひっくり返したようにへこみがあります。

そのため、平らで固いところを歩くときにパカパカという音がでます。

また、へこんでいる部分は汚れが溜まりやすい部分になります。

蹄を裏返して蹄底を見てみると、蹄底と一番外側の負面(ふめん)の間に黄白色の線があります。

これが無知覚部と知覚部とを結合している白線(はくせん)です。

この部分より内側に釘を打ち込んだりすると強い痛みを伴います。

蹄は第二の心臓

人間の足が「第二の心臓」と呼ばれるのは、重力によって下肢に溜まった血液を心臓に戻す役割を果たすためです。

これは筋ポンプ作用として知られています。

同様に、馬も足の筋肉を使って血液を心臓に戻す必要がありますが、その役割を担っているのがヒヅメです。

ヒヅメは主に「蹄尖部」「蹄側部」「蹄踵部」の3つの部分に分かれます。

そのうち、蹄踵部は着地時に伸縮し、蹄機作用として知られています。

この蹄機作用がポンプのように働き、心臓に血液を戻す手助けをします。

 

【競馬基礎】馬の蹄は意外とデリケート

蹄は指の先端の爪と同じように、ケラチンという物質でできています。

このケラチンは放置すると伸びる性質があり、一か月で約1センチほど伸びます。

野生の馬は自然の中で行動するため、ヒヅメも自然な摩耗が起きますが、牧場や乗馬クラブの馬は人間の手で定期的なメンテナンスが必要です。

蹄の裏側もデリケートであり、土や糞の汚れが溜まりやすく病気になりやすい部分ですので、注意が必要です。

 

競馬の蹄鉄とは

蹄鉄はU字型の鉄やアルミニウム合金でできており、馬の蹄の裏に釘で取り付けて使用します。

競馬を含む多くの馬が蹄鉄を使用していますが、これは非常に重要な馬具の一つです。

蹄鉄の役割と必要性

蹄鉄には大まかに2つの役割があります。

まず、一つ目は「蹄の保護」です。

馬が乗馬や競馬を行う際、蹄には大きな負担がかかります。

そのため、蹄全体を金属で保護することが必要とされます。

蹄が削れたり裂けたりするのを防ぎ、病気のリスクを軽減するために蹄鉄を装着するのです。

蹄鉄は馬にとって靴と同じような役割を果たします。

二つ目の役割は「運動能力の向上」です。

蹄鉄を装着することで、馬は地面をしっかりと蹴ることができ、より速く走ることができるようになります。

障害馬術では蹄鉄により踏み込みが安定し、高い障害を飛越できるとされています。

蹄鉄は2種類ある

現在、蹄鉄には大まかに2つの種類があります。

一つは鉄製で、乗用馬などに使用されるものです。

もう一つは競走馬や育成馬に使用されるアルミニウム合金製のものです。

一般的に鉄製の蹄鉄は耐久性に優れていますが、競走馬は高速で走る必要があるため、レース中には軽量なアルミニウム合金製の蹄鉄が好まれます。

競走馬の蹄鉄を打ち直す頻度

最近のアルミニウム合金製の蹄鉄は耐久性が向上していますが、それでも鉄と比較すると摩耗が早いと言えます。

日本装削蹄協会によれば、通常は2~3週間ごとに蹄鉄を交換するのが一般的ですが、これはあくまでも目安です。

場合によっては、摩耗が速いためにより短い期間で交換する必要があることもあります。

逆に、摩耗が少なくても蹄は伸び続けるため、定期的なケアが必要です。

 

まとめ

今回の記事では、競馬と蹄の関係と蹄鉄について解説しました。

競馬において爪のケアは非常に重要です。

競走馬のパフォーマンスに直結するだけでなく、健康状態の維持にも関わっています。

また、蹄鉄は馬にとって靴と同じような役割を果たし、蹄が削れたり裂けたりするのを防ぎ、病気のリスクを軽減するために蹄鉄を装着しています。

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