- ダートとは
- ダートと芝の違い
- ダートの予想のポイント
「競馬のダートって一体どんなものなの?」と思っていませんか?
競馬ダートとは、競馬の競走路の一種で、砂や土で覆われたコースのことです。
芝コースとは異なる走り方や条件があり、競馬ファンにとって興味深い要素です。
そこで、今回は競馬のダートの特徴や魅力について解説します。
この記事を読めば競馬ダートの走り方や条件などがわかるので、ぜひ最後まで読んで学んでください。
競馬におけるダートとは
「ダート」は直訳すると「土地」を意味する単語です。
このため、直訳すれば「土の上での戦い」となります。
しかし、日本の競馬において「ダート」とは、土ではなく砂が敷き詰められたコースで行われる競馬を指します。
砂の上で行われる競馬を考えると、普通には「サンド戦」と呼ばれるべきかもしれませんが、なぜ「ダート」と呼ばれるのでしょうか。
それは、ダート競走の発祥地であるアメリカでは、実際に土の上で競走が行われるため、「ダート」という名称がそのまま受け継がれ、日本でもダート競走と呼ばれるようになったからです。
したがって、「ダートレース」という名称が同じでも、日本のダートと海外のダートでは条件が大きく異なることがあります。
2021年11月にマルシュロレーヌがアメリカのダートG1レースで優勝したことは、この条件の違いを考えれば非常に素晴らしい成果であることが理解できます。
ダートと芝の違い
同じ競走馬が走るコースでも、芝コースとダートコースでは大きな違いがあります。
ダートと芝の違いは以下の通りです。
- 芝レースより荒れにくい
- 馬場状態の変化が少ない
- 馬場が重くなるとタイムが早くなる
- スピードよりパワーが求められる
それぞれの違いについて解説したいと思います。
スピードよりパワーが求められる
芝コースでは瞬発力が求められ、ダートコースではパワーがより重要視されます。
これにより、見た目には似ているように見える競走でも、実際には全く異なる競技と言えるのです。
例えば、2歳新馬戦において、阪神競馬場の芝1200mの平均タイムは1分10秒7ですが、同じ阪神競馬場のダート1200mでは1分13秒9となり、ダートの方が約3秒遅い結果となります。
上がり3Fのタイムを見ても、芝コースでは34秒台が普通で、33秒台もよく見られますが、ダートコースでは同じクラスでも36秒から37秒台になることが多く、瞬間的なスピードが異なることがわかります。
そのため、芝コースで優れた成績を収めている馬が必ずしもダートコースで成功するとは限りません。
2021年にはG1を2勝したソダシがダートに転向し、話題となりましたが、結果的にはG1レースでの勝利は叶いませんでした。
詳細は後述しますが、予想の際は血統や体型からある程度適正を判断できるので、いくつかポイントを抑えておけばダート適正を予想することも可能です。
芝レースより荒れにくい
ダートレースは芝レースと比較して荒れにくい傾向があります。
以下の表は、JRAの1番人気馬の成績を芝とダートで比較したものです。
1番人気 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
芝 | 33.1% | 50.7% | 62.5% |
ダート | 32.8% | 52.8% | 67.7% |
勝率についてはほとんど誤差の範囲内で差がありませんが、複勝率においてはダートの方が約5%ほど高いことがわかります。
また、JRAの3連単最高配当のトップ10のうち、約7割が芝のレースでの記録です。
このことからもダート競馬では高配当が出現しにくいと言えます。
なお、ダート競馬が荒れにくい理由は主に2つあります。
まず1つは、中央競馬においては芝のレースが最高18頭立てであるのに対し、ダートのレースは最高16頭立てです。
そのため、3連単の組み合わせの上限も芝の場合は4896通りに対して、ダートでは3360通りに減少します。
組み合わせ数が少ないこともあり、配当が上がりにくいことも荒れにくい要素の1つになっています。
ダート競馬が荒れにくい理由の2つ目は、瞬発力よりもパワーとスタミナが求められるからです。
ダート競馬は直線が短いこともあり、差し馬や追い込み馬が直線だけで逃げ馬や先行馬を差し切るパターンが比較的少なく安定して先行してそのまま実力馬が逃げ切ってしまうのです。
また、ダート競馬ではパワーを持つタイプの馬が有利とされ、全体的な傾向としては馬体重の重い、いわゆる「馬格のある馬」が成功しやすいとされています。
そのため、予想もしやすく大きく外す可能性が低くなっているのです。
馬場状態の変化が少ない
ダートコースは芝コースと比べて馬場状態が時間の経過によって変化しにくいです。
芝コースの場合、開催初日は芝が良好で内側を走るのが有利とされますが、開催日数が増えるにつれて内側の芝が凸凹になり、最終日には外側を走るほうが有利になる場合もあります。
馬場の変化は競走馬の走りに大きな影響を与え、穴馬が良いポジションを確保して本命馬を打ち負かすことがよくあります。
一方、ダートコースでは馬場状態が芝コースほど急激に変化しません。
開催日が進行しても、大きな変化はなく、レース後に砂を平らにするだけで良好な状態に戻せます。
そのため、強い馬は常に最大限の力を発揮しやすく、大波乱が起こりにくいという特徴があります。
馬場が重くなるとタイムが早くなる
馬場状態による影響も、ダートコースと芝コースの違いを示すポイントの1つです。
ダートコースでは雨が降ると砂が水分を含み、足の抜けが良くなり、タイムが速くなります。
これは、砂浜の波打ち際が走りやすいのと同様の理由です。
一方、芝は雨が降って地面がぬかるむと走りにくくなり、パワーが必要な馬場になります。
なお、雨が芝の表面に付いているだけで地面までぬかるんでいないような馬場では、単に滑りやすくなることもあり、これに苦手意識を持つ馬も存在します。
芝コースの方が雨の影響を知ることが難しく、予想が難しくなるのです。
芝コースの場合、雨が降り続けて馬場が「重馬場」や「不良馬場」となると、走る際に力が必要とされ、「重馬場」や「不良馬場」適正の差が生まれてしまいます。
そのため、「重馬場」や「不良馬場」の適正が低い馬は雨の日に力を発揮しづらくなります。
また、雨が芝の表面に付くだけで、単に滑りやすくなることもあり、これに苦手意識を持つ馬も存在します。
そのため、馬場状態の判断は難しくなり、人気馬の「重馬場」や「不良馬場」の適性が低く、穴馬の「重馬場」や「不良馬場」の適性が高い場合は、荒れるレースになることもあるので予想が難しくなります。
ダートレースの予想のポイント
ダートコースと芝コースの違いを踏まえたうえで、予想に活かすためのポイントがいくつかあります。
ダートレースの予想のポイントは以下の通りです。
- パワーに優れた馬を狙う
- 先行馬を狙う
- 中枠の馬を狙う
それぞれのポイントについて解説します。
パワーに優れた馬を狙う
パワーがあるというのは馬体重が大きい馬と捉えることもでき、ダートコースでは馬体重のある馬の方が成績の良い傾向にあります。
人間と同じように馬も体の大きさとパワーは比例する傾向にあるので、馬体重はパワーのある馬を見分ける1つの指標となるのです。
以下は馬体重ごとの成績と単勝、複勝の回収率をまとめた表です。
馬体重 | 勝率 | 複勝率 | 単回収値 | 複回収値 |
〜399kg | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
400〜419kg | 8.8% | 28.0% | 39 | 57 |
420〜439kg | 12.9% | 40.7% | 66 | 79 |
440〜459kg | 14.8% | 41.2% | 74 | 76 |
460〜479kg | 16.4% | 41.1% | 77 | 78 |
480〜499kg | 16.5% | 44.0% | 79 | 81 |
500〜519kg | 16.2% | 42.9% | 73 | 80 |
520〜539kg | 18.7% | 44.6% | 94 | 84 |
540〜 | 18.7% | 42.7% | 73 | 79 |
競馬のデータを評価する際に重要なのは、単複の回収値が80以上であるかどうかです。
馬体重が460kgを超えると、通常は約80という回収値を示すことが多いので、460kgという数字は覚えておくべき重要なポイントです。
一方、馬体重が500キロから519キロの範囲にある場合、時折ダート競馬では強いと見なされ、過度に人気が出ることがあります。
なお、馬体重が540キロを超える馬は、機動力に欠ける可能性があるため、多少不利とされますが、小型馬よりは有利なことが多いです。
また、ダート競走において、競走馬の前脚に優れた筋肉が求められます。
特に前脚に付いている筋肉が重要で、その筋肉が大きく発達しているかどうかがポイントです。
これは、ダートの走路において前脚で力強くかき込む必要があるためです。
そのため、ダート競走において前脚の筋肉はボーリングのボールのように大きく、しっかりと発達しているのが良いとされています。
馬体重や血統について詳しく知りたい方は、ぜひ下記の記事を参考にしてください。
先行馬を狙う
ダートコースにおいて位置取りは非常に重要です。
一般的にダート競走では前が有利とされており、特に4コーナーでの位置取りが勝利に大きな影響を与えることが多いです。
例えば、4コーナーで1/3頭以内(18頭立ての場合は6番手以内)にいた馬は、単複ともに回収値が100を超えることが多い傾向があります。
また、ダート競走ではスピードが求められ、上り32秒台や33秒台のタイムは出にくいです。
そのため、差し馬にとっては厳しい条件となり、ペースが早くなった場合に後ろの馬もスタミナを消費することが多く、全馬が疲れてしまうことで、隊列が変わらずに先行馬が残ることもあります。
ただし、上記のデータはあくまでその特定のレースでの4コーナーでの位置取りに関するものであり、競馬においては様々な要因が絡むため、単純に位置取りだけが勝敗を左右するわけではありません。
中枠の馬を狙う
枠番 | 勝率 | 複勝率 | 単回収値 | 複回収値 |
1枠 | 6.4% | 19.1% | 68 | 66 |
2枠 | 6.9% | 20.4% | 76 | 71 |
3枠 | 6.7% | 20.8% | 66 | 75 |
4枠 | 7.1% | 20.9% | 65 | 70 |
5枠 | 7.5% | 21.3% | 80 | 75 |
6枠 | 7.2% | 22.2% | 69 | 76 |
7枠 | 6.8% | 21.5% | 63 | 70 |
8枠 | 7.7% | 22.2% | 85 | 78 |
枠順については、多少出遅れてもダッシュを効かせて先行しやすく、砂を被らないように工夫できる外枠が有利です。
多少の距離は損をしますが、メリットの方が大きいことになります。
一般的に、人気馬は競走で先行力を発揮することが多い傾向があります。
そのため、距離ロスを最小限に抑えるためには、中枠からのスタートが有利であることが多いです。
ただし、ダート競走においては、一般的に外枠が有利とされています。
しかし、人気馬であっても先行力に欠ける場合、外枠からのスタートが不利になり、内枠に取り付いて競走を進めることで好走することもあります。
このようなケースでは、数値にそのような傾向が反映されています。
したがって、人気馬から軸馬を選ぶ場合、競馬の種類やコースの特性に応じて中枠有利と考えておくことは、戦術的に合理的な選択と言えるでしょう。
競馬においては、様々な要因が絡むため、常に柔軟な判断が求められます。
色々な要素を考慮して予想をするのは難しく時間もかかる作業になるので、私はうまくAI予想などを使いながら時短をしています。
もし興味があれば、下記の記事にて予想サイトを紹介しているので、参考にしてください。
まとめ
今回の記事では、競馬のダートについて解説しました。
ダートは砂の上を走るため天候や季節に左右されにくく、安定したコンディションで競走が行われます。
そのため、予想もしやすく荒れる要素も少ないため、芝と比較すると高配当は出にくい傾向です。
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