- 放牧とは
- 放牧の効果と目的
- 放牧のメリット
- 放牧明けに好走する馬の見分け方
競走馬が放牧に出されていることは知っているけど、どんな効果があるのか、何をしているのか、意外と知らないのではないでしょうか?
そこで、今回は競馬の放牧について解説します。
この記事を読めば、放牧の目的やメリット、放牧明けに好走する馬を見分けるポイントがわかるので、ぜひ最後まで読んで馬券を当てるヒントにしてください。
放牧とは
競馬における「放牧」とは、一般的に競走馬を北海道などの牧場に送り、広大な土地で自由に過ごさせることを指します。
放牧の期間やタイミングは慎重に調整され、競走馬の調子や体調を最適な状態に保つために計画されます。
厳しいトレーニングに耐える日々から、広大な牧場に戻ることで、競走馬はリラックスし、ストレスを解消する機会を得ることができるのです。
放牧の目的と効果
放牧の目的は主に2つあり、競走馬の状態によってどのような目的で放牧に出すのかを決定します。
放牧の目的は下記の2つです。
- 競走馬を休ませるため
- 怪我を治療するため
それぞれの目的について解説します。
競走馬を休ませるため
放牧は競走馬の重要な休息期間で、主要な目的は競走馬のリフレッシュと回復です。
特にG1レベルの実力馬は、レース間隔を広げて、重要な競走に焦点を合わせる傾向がありますが、他の馬にとっては短いインターバルでの連戦も一般的です。
競走馬は一度のレースでも多大なエネルギーを使うため、短い間隔での連戦は疲労を蓄積させることにつながります。
疲労がたまるとパフォーマンスが低下し、競走馬の持っている潜在能力を発揮できなくなります。
そのため、競走馬には放牧期間を取り、リフレッシュさせることが重要です。
放牧にはさまざまな種類がありますが、広大な牧場で自由に過ごすのが一般的です。
怪我を治療するため
競走馬がケガをした場合、放牧に出すことが一般的です。
競走馬は高負荷のトレーニングを受けており、ケガをする可能性があるため、放牧に出すことは競走馬の回復と休息に役立ちます。
なお、ケガの程度に応じて、放牧期間は異なります。
軽度のケガであれば比較的短い期間で済むこともありますが、重度のケガの場合は1年近く放牧に出すこともあります。
ケガからの回復が完了するまで、競走馬はレースに出走せず、調教やリハビリを行います。
ケガからの復帰後、競走馬のイメージが低くなることが一般的ですが、しっかりとケガを癒し、調教を積んできた馬は、復帰後に好走することもあります。
例えば、シャケトラは2017年の有馬記念後にケガを負い、1年以上の休養期間を経て2019年のAJCCで復活しました。
このレースでは7番人気ながら1着となり、阪神大賞典でも1番人気に応えて2連勝を達成しました。しかし、その後の競走で急逝するという悲しい結末となりました。
競走馬のケガ明けのパフォーマンスは馬によって異なりますが、適切なリハビリとトレーニングを受けた馬は、長期放牧明けでも成功を収めることがあります。
放牧のメリット
先述した通り放牧は、2つの目的を持って行いますが、放牧によって以下のようなメリットが得られます。
- 新鮮で栄養満点の草を食べられる
- 自発的な運動ができる
- 暑い時期に涼しく過ごせる
- リフレッシュできる
それぞれのメリットについて解説します。
新鮮で栄養満点の草を食べられる
草地での放牧には、馬にとって大きなメリットがあります。
最も大きな利点は、自然の中で育った新鮮で栄養豊富な草を食べることができることでしょう。
通常、馬の餌として提供される草は、長期間保存する必要があるため、乾燥させて保存されます。
これにより草は腐敗せずに保たれます。
もちろん、この乾燥した草でも馬の成長に必要な栄養は摂取できますが、新鮮な生の草には栄養価が高く、馬にとって美味しく、歯ごたえもあります。
自発的な運動ができる
「走り回る」という行為も、人に促されて行う場合と、自発的に行う場合では効果に大きな違いがあります。
馬にとって、人に乗せられて限られた筋肉だけを使って走ることは、非常にストレスがかかります。
馬は乗っている騎手や人のことを考えながら、迷惑をかけないように走らなければなりません。このような状況での運動は、馬にとってはストレスフルなものです。
一方、放牧されている時は、自分の好きなように動き回ることができます。
馬は自由に首を振り回し、跳ねたりしても、制約を受けることはありません。
昼夜を問わず放牧されている馬は、1日に16kmも歩いたり走ったりすることがあります。
このような自発的な運動が、馬にとってはストレスを解消し、体を健康に保つのに役立つのでしょう。
また、自然な地形や斜面を駆け上がることも、馬のバランスを良くするために効果的です。
背中の筋肉を使うことができ、自発的な運動によって馬の体調が良くなることがあります。
人が騎乗させるよりも、馬が自分から運動をする方が、体の調子を整えるのに有益なことが多いのです。
暑い時期に涼しく過ごせる
多くの放牧地には、木陰や雨をしのぐための屋根が備えられており、馬はそこで体を休めることができます。
特に夏場に北海道に戻った馬にとっては、涼しい気温が快適さをもたらします。
適切な気温の下での放牧は、馬にとって心地よい経験となります。
リフレッシュできる
これまで述べた特徴が放牧スペースに存在しない場合でも、放牧を提供することで馬は精神的にリラックスできます。
自由に行動できる時間があることは、馬にとって重要で、それによって馬は安心感を感じます。
自分の行動に対して許可を得ていると感じることは、人間からの信頼の証とも言えます。
そのため、乗馬のために外に出る時間以外は、馬房に閉じ込められる状態は、馬にとっては理想的な環境とは言えません。
たとえ短い時間でも、放牧の時間は大切にするべきです。
放牧明けに好走する馬を見分ける3つのポイント
放牧の効果やメリットを解説したところで、比較的高い確率で放牧明けに好走する競走馬の見分けるための要素を3つご紹介します。
放牧明けに好走する馬を見分けるポイントは下記の通りです。
- 外厩による短期放牧
- 過去に好走した経験がある
- 放牧の期間
それぞれの条件について解説します。
外厩による短期放牧
放牧について、特に外厩による短期放牧の場合は、競走馬のパフォーマンス向上にプラスの要素があると言えます。
これは競走馬のストレス軽減やトレーニングに集中できる環境が整うためです。
通常、競走馬は厩舎で調教を行いますが、同じ厩舎に多くの競走馬が集まると、競走馬同士のストレスや競争心が生まれ、トレーニング効果が損なわれることがあります。
しかし、外厩では限られた競走馬が調教を受けるため、ストレスを感じずに集中的なトレーニングが可能となります。
外厩は競走馬の数に応じた設備が整っており、特にノーザンファームしがらきやノーザンファーム天栄などはその環境が非常に優れています。
外厩トレーニングは主流となっており、多くの競走馬が利用しています。
したがって、競走馬がいつ外厩に行っていたのか、どこの外厩でトレーニングを行っていたのかを確認し、馬券に役立てることができます。
競馬ファンや馬券購入者にとって、外厩情報は重要な要素の一つと言えるでしょう。
過去に好走した経験がある
競走馬の中には、休み明けに好走する馬と毎回凡走してしまう馬がいます。
過去の放牧明けのレース結果を確認することが非常に重要です。
放牧後の成績を分析すると、一概に放牧明けだからといって勝率が大幅に変動するわけではありません。
しかし、馬ごとに得意なコンディションやコースが異なるため、詳細なデータを見ることで競走馬の特徴を把握することができます。
過去の結果をしっかりチェックし、各競走馬の放牧明けのパフォーマンスに着目しましょう。
これによって、競走馬の休み明けにおける戦績や得意条件を理解し、賢い馬券の選択ができるでしょう。
放牧の期間
放牧に関して、期間の長さが重要な要素とされています。
競走馬は限られた厩舎の収容能力に制約されており、収容しきれない競走馬は外厩に送られたり放牧に出されたりします。
したがって、中途半端な期間の放牧を経験した競走馬は、充分に休養を取ることができず、また調教も不足しがちで、その結果、凡走する可能性が高まります。
実際のデータからも、放牧期間が短すぎたり長すぎたりするよりも、適切な長さの放牧期間の方が競走馬の好走につながることが多い傾向にあります。
したがって、放牧の期間は馬券を選ぶ際に考慮すべき要素の一つとなります。
まとめ
今回の記事では競馬の放牧について解説しました。
放牧の目的は主に2つあり、目的に応じて期間や内容を決めます。
また、放牧明けに好走する馬を見分けるポイントがあり、ポイントを押さえることで予想の精度が上がります。
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